しゅん助寿司
2023/11/25 [ブログ]
人の人生も必ず分岐点がいくつもあります、そして京丸園という会社も同様にいくつもの分岐点がありました、なかでも『姫ねぎ』の生産を始めたきっかけは忘れられません。
元々流通していた芽ネギを使っていたしゅん助寿司の大将が「枯れていなくて日持ちするもの、水耕栽培ならできるだろうやってみろ」と声をかけていただいたのがきっかけでした。
それまで芽ネギという野菜すら知らなかったので、さっそく芽ネギの握りすしを食べさせてもらい、種はどうしたらいいか?発芽方法は?栽培方法は?生育までの日数は?出来たらどうパッケージするか?様々なことを多くの人に聞き教えてもらい作り始めました、そこから約2年ほど作っては大将のところに持って行き「これでどうでしょう?」と聞きに行く、その都度寿司に握ってくれて「これでどうか食べてみろ」と教えてくれていました。
成長したものをそのまま持って行ったり、生育が不揃いなのモノを持って行ったり・・・本当に根気よく付き合って教えてくれました。
そして「これならいいぞ!」と言ってもらったところから市場でも扱ってくれるようになりました。
一人のお客さんが喜んでくれると、他でも喜んでくれる人がいる!を実感として学びました。
そのしゅん助寿司が今月末でお店をたたむことになった、と聞いたのが1ヶ月前、コロナ以降毎週金・土・日の3日間しか営業していなかったので「まだ早いでしょう」と聞くと「50年続けるつもりで始めた店だからもう52年になったし未練はない、元気なうちにたたんでおきたい」と・・・。
京丸園、私たちにとっては本当の恩人です、寂しいという言葉だけでは言い表せません、以前は一緒に写真を撮って欲しい!と頼んでも頑なに断られましたがさすがに最後の頼みで記念の一枚をお願いしました、毎週姫ねぎを届けて大将や奥さんと話す時間(短い時間ですが)が無くなる・・・それだけではないのですが、本当に寂しい、いつかはくることですが・・・。
大将・奥さん、今まで本当にありがとうございました、お世話になりました、沢山のことを教えていただきました、ありがとうございました。